白い雪が降り積もるように
「玖下、お前が死にたいと願うなら俺がお前に生きたいと思える理由を与える。だから、俺を裏切るな」
「……っ!」
「 俺が玖下に与える生きたいと思える理由は俺をこれからも守ることだ。出来るよね?」
弟の裏切りで傷付いた俺にかけられた約束。
それを断れないと分かっていて、俺は玖下に言った。
「御意」
もちろん、玖下は涙ながらに首を縦に振った。
玖下……、お詫びをするのは俺の方だよ。
俺はお前に大切な弟を殺させた。
俺の存在がお前や律生の人生を狂わせた。
その挙げ句に、生きる理由を与えるから裏切るななんて自己満足の約束をさせた。
それに加えて、守れなんて命令をする。