白い雪が降り積もるように
次の瞬間、私の身体は蓬條依良の身体と共に池へと落ちていた。
浅かったからすぐにぬかるんだ泥の感触がして、私は彼の足の間に入るようにして池に浸かっていた。
落ちた拍子にウィッグが外れたのか、髪が首にかかる感覚がする。
「冷たっ!ちょっと急に何す──」
「生きてたらいけない存在なんて言わないで!生きてたらいけない人なんてこの世にいないんだから!」
若干怒り気味の蓬條依良の言葉を遮るように怒鳴った。
殺そうとしていた相手にそんなことを説くなんて何を考えてるのか、私自身も分からない。
自分の気持ちよりも身体が勝手に動いてしまったのだ。
すると、蓬條依良は苦笑いを浮かべた。