白い雪が降り積もるように


「俺を殺そうとしてるのによく言うよ」




「……ごもっとも」





「でもさ、こんな風に水に浸かったり、今みたいに怒鳴られるのも生きているからなんだよね」





視線を空に向けた彼に続くように、私も空を見上げた。




季節は冬になり、空気が変わったせいか星が綺麗だ。





他の季節とは違って、星がより綺麗だから見いってしまう。





「ねぇ、お願いがあるんだけど」




空に見いっていると彼の声が聞こえた。





視線を向ければ、彼は澄んだ眼差しで私を見ていた。





「……復讐は止めませんよ」





芽生えつつある自分の気持ちを押さえつける。




復讐は止めない。




私の意志は固いのだ。




私の返答に、蓬條依良は首を横に振る。



ならば、何だというのだ?






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