白い雪が降り積もるように
「今度こそ、あんたの宝物を殺してやるよ。俺の大嫌いな姉さん……」
蓬條の頭首である姉が写っていた。
彼は狂気に満ちた目で写真を見ていたが、何か思い立ったようにスマホを取った。
そして、何処かへ電話する。
「もしもし、皆実総合病院ですか?一つお聞きしたいことがありまして……。申し遅れました、私、篠原秋葉の担任をしております、日下圭一と申します」
彼──、日下圭一はまるで悪魔が取り付いたような程醜く顔を歪めながらも、声は善人のように穏やかだった。