白い雪が降り積もるように
「そんなことして、アイツの思い通りじゃねぇか!アイツと賭けしてんなら、アイツの行動を真に受けるな!」
「おっしゃる通りで」
そりゃあ、油断はしてたけどさ。
まさか、抱き締められた挙げ句に名前で呼ばれたらねぇ……。
それでも、まだ復讐を止めようとは思っていない。
良威は呆れたようにカウチに寄りかかると、天井を見上げるようにして上を見た。
そんな彼の顔は何処か悔しそうで、何処か辛そうだった。
「……ホントに何故、お前ばかり……」
微かに震える声が良威の聞こえた。
誰に対しての言葉なのか、分からない。
私ではないのは分かっている。
でも、いつも自信に溢れたようにしている彼がそんな姿をして、そんな声で呟いている姿には違和感を覚えた。