白い雪が降り積もるように
私は蓬條紗良から視線を前に戻すと、再び彼の背中を追いかけた。
「それで、復学はいつになされるのですか?」
部屋に着くと相変わらずカウチでリラックスする蓬條依良に問う。
「来年かな。今から戻るのも中途半端だし、留年してもう一度三年やろうと思ってるんだ。どうせ、留年は確実だし」
確かに今はもう師走に入り、今から学校に復学してもすぐに冬休みに入ってしまう。
それなら、四月まで休学するのも手かもしれない。
まあ、蓬條の跡取りが望むなら蓬條の連中はそうするだろうけど、それまで彼が生きている保証はないのにね。
私に殺されるんだから……。
蓬條依良の言葉に「そうですか……」と答えると、玖下さんと共に部屋を後にした。
でも、おかしい。
復学するのがまだ先なら何故、最近外出が増えたのだろう?
私はてっきり外出が増えたのは復学する準備を整える為だと思っていた。
実際は違うようだし、不思議だ。
こうなったら、玖下さんに聞いてみる?