白い雪が降り積もるように


「何故、止めるの?」




「空手の優勝経験者の拳なんか食らいたくないよ」





「なら、話して。話さないなら今度は回し蹴りを食らわせるよ?」





「分かった、話すよ。此処はアリスの……藤邦が経営する病院だから自然と情報が入ってきたんだよ、アリスから」





観念したように話した彼の手から拳を離すと、ガックリと肩を落とした。





……アリスさん、個人情報漏洩させちゃ駄目でしょ。




でも、藤邦の経営する病院ということは私も知らなかったから仕方ない?けどさ。




いや、仕方なくないな。





それにしても、あの事件以来、あんなに楽しそうに笑う秋葉を見たのは初めてかもしれない。





彼が蓬條と知っていたら秋葉は警戒しているだろうに、何故あんなに楽しそうだったのだろうか……?






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