白い雪が降り積もるように
「秋葉ちゃん、良い子だね。君と同僚の玖下って言ったら、君のことを心配して色々聞いてきたよ」
あー、納得。
蓬條依良は警戒されると分かっていて、この場にいない玖下さんの名前を名乗ったのだろう。
だったら、秋葉も警戒しないわけだ。
それより──。
「え、秋葉がそんなことを?」
「ああ。終いには姉を宜しくお願いしますって頼まれたよ」
秋葉……、よりにもよってこの人に頼まないでよ。
でも、秋葉が姉である私を心配してくれているなんて嬉しい。
込み上げてきそうになる涙を堪えながら、彼を睨み付けた。