白い雪が降り積もるように
7.哀別
翌日。
私はいつもと変わらず、蓬條依良の周りの世話をしていた。
基本的には玖下さんがやっていたけど、最近では私にお茶出し等は任せてくれるようになっていた。
ティーセットを抱えながら廊下を歩いていると、ポケットに入れているスマホのバイブが鳴った。
仕事中だけど、急用以外には仕事中に連絡が入ることはない。
私は柱の影に隠れてコッソリとスマホをチェックすると、連絡を寄越していたのは秋葉だった。
着信だったから折り返し電話をかけると、すぐに秋葉は電話に出た。
「もしもし、秋葉?どうしたの?」
『冬雪姉、話したいことがあるの。仕事あるだろうけど、夕方来れない?』
「大丈夫、今日は半休だから夕方より前には行けるよ」
『うん、分かった』
秋葉はそう言うと一方的に電話を切ってしまった。