白い雪が降り積もるように
近くで見た彼の姿に再び言葉を失う。
──美しい男の子だ。
細身で漆黒の髪にキリリとしたつり目、まっすぐ通った鼻筋に形の良い唇。
シンプルな白のニットに黒のパンツ姿とラフな服装だが、華美ではない分その美しさを際立たせていた。
誰もが見惚れてしまう程の容姿をしたこの男が蓬條依良なのだと確信した。
「蓬條依良様ですね?」
「そうだけど」
「私、本日より依良様のお世話をさせて頂きます、篠田冬季と申します」
「お世話……?」
蓬條依良は怪訝そうに眉をひそめた。
これが彼──、蓬條依良との出逢いだった──。