白い雪が降り積もるように
彼は泣いている私を慰めるように私の頭を胸へと引き寄せた。
そんな彼の仕草に、私はハサミから手を離してその胸へとすがり付くように泣いた。
「ごめん……、全部俺の存在がいけないんだよね……。俺がいなければ、君や秋葉ちゃん、君の家族が不幸にならずに済んだんだ……」
そんなことない……。
何故か、今まで彼の存在を否定していたのに、今は彼の存在が大きく感じる。
もう分かってしまった。
私が彼を殺すのを躊躇う理由が。