白い雪が降り積もるように


私は知らぬ間に彼を好きになってしまっていたんだ。




誰よりも優しくて、誰よりも人の悲しみを理解し、誰よりも死を望んでいて、誰よりも強くて弱い。





私が誰よりも憎む女の息子……。




そんな彼、蓬條依良に私は恋に落ちてしまっていた。





ごめんね、お父さん。お母さん。




秋葉とお姉ちゃんもごめんね。





私はもう復讐出来ないかもしれない。




彼を殺すことはもう私には出来ないかもしれない──。




< 263 / 422 >

この作品をシェア

pagetop