白い雪が降り積もるように
鏡に映る自身は顔色が悪くて、髪はボサボサでビックリするくらい目が虚ろだった。
「ショートカットになってしまいますが、仕方ありませんね」
そう言って、玖下さんはシャキシャキと音をたてながら私の髪を切っていく。
ハサミが入った場所は綺麗に整っていった。
髪は結局、背中まであったのに襟にかかるかかからないか位まで短くなってしまった。
「……上手ですね、玖下さん」
私の髪を切り終えて、ハサミを片付け始めた玖下さんに声をかけると彼は穏やかに笑った。
「昔から弟の髪を切ってあげていたので、自然と上手くなりました。今も依良様の髪を切って差し上げています。あ、髪を洗いましょうか」
玖下さんは私をお風呂に移動させてシャツにさせると、切ったばかりの私の髪を洗い始めた。