白い雪が降り積もるように
彼の話す女の子が昔の私のように思えたけど、遊園地で迷子なんてたくさんいる。
私とは限らない。
「でも、その子は泣いていませんでした。ぬいぐるみを抱き締めながらぐっと泣くのを堪えていました」
私もそうだった。
秋葉が生まれてお姉ちゃんになったから泣いちゃ駄目だって思っていた。
何処か昔の私に似たその子に勝手に自分を重ねてしまう。
「それは強がりだったんでしょうね。私が手を握れば、その手は震えてたんです。小さいのに素直に泣けないその子に私はこう言いました」
「?」
「『僕が道標になって君の大切な人を見つけてあげる』──と」
「!?」
玖下さんの言葉に確信した。
迷子になった私をお父さん達の所に連れてってくれたのは玖下さんだったんだ。