白い雪が降り積もるように
「……ホントに腹が立つ」
「え?」
「素直に言っておけば良かったって今更後悔する私自身に腹が立つ……。今更秋葉の想いに気付いた私自身に腹が立つ……」
「うん……」
「優しいアンタに……泣きつこうとしてる私自身に腹が立つ……」
そう言った直後に私の身体は引き寄せられ、吸い込まれるように蓬條依良の腕の中に収まった。
シャツ越しに感じる彼の温もりと抱き締められる力が優しい。
「泣きついたって良いんだよ。君は一人で抱えすぎるみたいだからね。せめて、俺の前では力を抜きなよ……」
「嫌……。それじゃあ、復讐出来ない……」
「そう言わないでよ。俺は君の妹から復讐を止めさせるようにお願いされてるんだから」
頭の上から苦笑が聞こえた。