白い雪が降り積もるように


ホントに卑怯だ。




この人はいつでも私の気持ちを惑わす。





あれほど憎かったのに、今はそんな気持ちすら抱かない。





あれほど殺したかったのに、今はそんな気持ちすら抱かない。




今はただ、この人の温もりを感じていたい。




それが私の今の素直な気持ちだ。




でも、それを彼に伝えることはない。




彼は多分、私を可哀想な子としか思っていない。




それなら、もうその優しさを向けないで欲しい。




その卑怯な優しさが私には酷だから……。









< 277 / 422 >

この作品をシェア

pagetop