白い雪が降り積もるように


「それで、何故お前が此処にいる?」




普段は俺と会うことを拒む片割れがいることに疑問を感じ、問うと良威は挑発するような目で見てきた。




「宣戦布告をしに来た」




「は?」




宣戦布告?




また良威のことだから跡継ぎがどうこうと言い出すに違いない。





良威の言葉を聞き流そうとしたが、俺は出来なかった。




「俺は篠原冬雪が好きだ。てめぇなんかに渡さねぇ」





俺は良威の言っていることが理解できなかった。





こいつが彼女を好きなことは分かっていた。





でも、その事を俺に宣戦布告する意味が分からない。





俺に渡す渡さないの前に、俺は彼女に恋愛感情を抱いているつもりはない。




なら、そんなことをいうだけ無駄だ。






< 279 / 422 >

この作品をシェア

pagetop