白い雪が降り積もるように
ふと、窓の外を見ると空から白い欠片が落ちてきていた。
冬の雪という意味の名前の彼女。
名前の通り、雪のように白い肌をした冷たい目を持った女の子。
でも、その中身は本当は優しく、温かい女の子……。
その優しさや温かさを多分、良威は見抜いて好きになった。
なら、俺は?
俺は彼女をどう思ってる?
「……良威のせいで、今日は眠れそうにないな……」
窓の外で降りしきる雪を見ながら、俺はもう一度ため息を吐いた。
脳裏には何故か彼女が浮かんでいる。
雪のように儚く消えてしまいそうな笑顔を浮かべた彼女が──。
≪依良side end≫