白い雪が降り積もるように
「なぁ、達也」
「ん?」
「誰があの娘と結ばれると思う?」
「……依良と結ばれたら、紗良は困らないのか?」
「別に。私は依良が跡を継ぎさえすれば誰と付き合って結ばれようと構わないさ」
彼女からすれば、息子達を殺そうとした男に制裁を加えられた今、その男の家族はどうでも良い。
だから、その娘と己の息子が結ばれようとも構わなかった。
妻の言葉を聞いた達也はその言葉が予想外だったのか、驚いた様子だった。
そんな彼の様子に、紗良はクスリと笑うと既に眠っている末娘を起こさないようにベッドに入ると、頭を優しく撫でた。