白い雪が降り積もるように
深く突っ込まれなかったことにほっと肩を落とすと、玖下さんと一緒に蓬條依良の元へと向かう。
今日は私は遅番だったから彼を起こす役割はない。
だから、部屋に入れば、彼は窓際の机で何かをしていた。
「おはようございます、依良様」
「おはよう、篠田く──どうしたの、そのマスク?」
蓬條依良は振り向いて私の顔を見るなり、そんなことを問いかけてくる。
またさっきの説明をし直しか……。
心の中で面倒に思いながらもさっきと同じく説明をした。
「実はヘルペスが出来てしまいまして、見苦しいのでマスクで隠させて頂いております」
「……ふぅん」
一瞬彼の言葉に間があった。
その間はまるで、私の嘘を見抜いているようにも思えた。