白い雪が降り積もるように
「玖下さん、彼は天才ですか?」
唐突な私の問い掛けに、玖下さんは吹き出した。
そして、必死に笑いを堪えている。
「ど、どうなさったんですか、急に?」
「彼が解いている公式が意味不明でした。それと、笑いを堪えるなら笑ってもらった方がマシです」
「失礼しました、笑いません。確かに依良様は頭がよろしいですが、アリス様は更にその上をいきますよ」
ゴホンと咳払いをして気を取り直した彼はそう言った。
そういえば、前に彼とアリスさんの会話で県トップの進学校の問題を簡単と言っていた。
アリスさんに限っては寝ていると……。
もう三名家の頭脳も経済力も底無しか……。
無意識にため息が出た。