白い雪が降り積もるように
≪良威side≫



昨日、アイツに好きだと伝えた。




でも、アイツは俺が言ったことを本気と取っていなかった。




「クソ……っ」




自室に戻るなり、俺はベッドに飛び込むようにして倒れた。




脳裏にはアイツの顔が浮かんでいる。




唇にはアイツの唇の感触も、手のひらの感触も残っていた。




どんなことをしたって、アイツは俺を好きにならない。




アイツは依良が好きだ。




そして、多分……いや、確実に依良もアイツが好きだ。




「いっつも依良は良いところを持っていきやがる……」




額に腕を乗せて、唇を噛む。






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