白い雪が降り積もるように
昔からそうだった。
依良はいつも良いところを持っていく。
愛情も地位も権利も頭脳も全て俺が依良に勝てることはない。
俺は落ちこぼれの次男だから……。
すると、ポケットに入れていたスマホが鳴った。
面倒に思いながらもスマホを取り出して画面を見れば、見たことがない11桁の電話番号が映っていた。
疑いながらも電話を取った。
「もしもし……」
『良威か?俺だ、圭二だ』
「圭二叔父さん?何で、俺の番号を……?」
電話をかけて寄越したのはあの母親から勘当され、蓬條を追放された十年も会っていない叔父だった。