白い雪が降り積もるように


『なぁ、良威。お前、今でも蓬條の跡継ぎになりたいのか?』




蓬條の跡継ぎ?




そんなの決まってる。




「なりたいに決まってんだろ。この蓬條の権力も地位も全て依良だけのモノなんて気に入らねぇ」





何で、次男だからって跡継ぎになれない?




何で、次男だからって除け者にされる?




何で、次男だからって長男の下にならないといけない?





気に入らないことなんて山程ある。





優秀すぎる片割れも、その片割れを大事にするあの母親も全てが気に入らない。





依良、アイツさえ居なければ、全てが俺のものになる。




蓬條の持つ地位も権力も財力も。




アイツの心も全て……。






< 303 / 422 >

この作品をシェア

pagetop