白い雪が降り積もるように
「玖下さん……?」
部屋の住人である玖下さんの名前を呼ぶけど、彼の気配は感じない。
すると、室内に冷たい空気が流れ込んできた。
空気が流れ込んでくる方を見れば窓が開いていて、カーテンがヒラヒラと靡いていた。
私はそこに近付くと外を見ると、地面には昨日降っていた雪が残っている。
そして、雪には真新しい裸足の足跡があった。
玖下さんのものだろうか……?
ちょうど靴を履いていた私は外に出て、その足跡を辿った。
辿った先には東屋があって、そこには玖下さんの姿があった。
「玖下さん……」
近付いて名前を呼べば、彼は肩を揺らしてゆっくり振り向いた。