白い雪が降り積もるように
「何か質問はございますか?」
「い、いえ」
「では、今日から篠田さんが使用する部屋へご案内します」
一度本館の中に戻り、奥に進むと別館へ続く通路があった。
そこを通り、別館へと入る。
別館は二階建てで、全部屋日当たり良好、各階に自販機があり、おまけにお風呂や洗面所、トイレやキッチンまでも部屋に備え付けられていて、地下には大浴場が完備されている。
男性の使用人が一階、女性の使用人は二階を使用しているようで、私には一階の角部屋が与えられた。
「荷物は運んでありますので、今日はゆっくりお片付けをなさってくださいね。もし、何かあれば、此処に電話してください」
玖下さんはそう言って、名刺を差し出してきた。