白い雪が降り積もるように
僕は律生のしてきたことを黙認して、罪を隠そうとしていた。
それがいけないことだと分かっていても、弟のやることをフォローするのが兄の役目だと思っていた。
それが間違いだったんだ。
「お前達はこれから政府に飼い慣らされる殺し屋になってもらう。表沙汰に出来ない事件の犯人やテロリストを殺せ」
そう言われて、僕らは男達に連れられてボロアパートを出た。
それから僕らは罪を犯したことを責められるかのように、人の殺し方を教えられた。
僕らは元々犯罪者の素質があったのか、すぐにそれをこなせるようになる。
それと同時に、感情が悲しいほどに無くなっていった。
楽しさも悲しさも辛さも喜びも分からなくなった。
そんなときにその組織の重鎮の藤邦の当主から護衛の命が下った。
その護衛の相手が蓬條の次期頭首、蓬條依良だったのだ。
≪玖下side end≫