白い雪が降り積もるように
マスク越しに伝わってくる温もり。
それはすぐに無くなった。
そして、玖下さんは誰もいないはずの夜の闇の方を見た。
「ごめん、抑えられなかった……。でも、僕は誰よりも二人の幸せを願ってるよ」
それが誰に言ったものなのかは大体見当がつく。
でも、私は信じたくなかった。
夜の闇に紛れながら今までのことを彼に見られていたと言うことを。
闇の中へ消える足音がしたことを──。
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