白い雪が降り積もるように
そんな感情を払拭するために風呂場に向かうと、頭から冷水を被った。
寒い外から帰ってきた後の冷水シャワーはそんな感情を無くしてくれると思った。
でも……。
「何故、無くならないんだよ……」
冷水シャワーは身体を冷やすだけで、感情を無くしてはくれなかった。
ふと、さっき玖下が言っていた言葉を思い出した。
『僕は誰よりも二人の幸せを願ってるよ……』
二人とは誰のことだろう?
あれは確かに俺に向けられて言っていたものに違いは無い。
でも、勝手な思い過ごしかもしれないけど、それはまるで俺と彼女が結ばれることを願っているように感じた。