白い雪が降り積もるように


そんな感情を払拭するために風呂場に向かうと、頭から冷水を被った。




寒い外から帰ってきた後の冷水シャワーはそんな感情を無くしてくれると思った。




でも……。




「何故、無くならないんだよ……」




冷水シャワーは身体を冷やすだけで、感情を無くしてはくれなかった。




ふと、さっき玖下が言っていた言葉を思い出した。




『僕は誰よりも二人の幸せを願ってるよ……』




二人とは誰のことだろう?




あれは確かに俺に向けられて言っていたものに違いは無い。




でも、勝手な思い過ごしかもしれないけど、それはまるで俺と彼女が結ばれることを願っているように感じた。






< 329 / 422 >

この作品をシェア

pagetop