白い雪が降り積もるように


風邪を引いた理由は予想がつく。



多分、彼は私と玖下さんのやり取りを聞いていたのだろう。




それなら彼がどんなことをしたかは知らないけど、それが理由のはずだ。




「いらないって言ってるのに……」




蓬條依良はぼやくように言っているけどその声に元気はなく、 時折激しく咳き込んでいた。




「辛そうですし、玖下さんの言うとおりちゃんとお医者さんに診てもらいましょう?」




「……うん。でも、君は此処にいない方が良いよ……。風邪がうつる……」




唇の荒れが治った私はマスクを着けずに仕事出来るようになっていた。




身体は丈夫な方だから余程疲れていない限り風邪を貰うことはない。




だから、彼の傍にいても問題はないはずだ。




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