白い雪が降り積もるように


二人のテンションが分からず、私は戸惑ってしまう。




でも、それよりも。




「あの、アリスさん。何故、紗也様のお部屋なんですか?」




そっちの方が疑問だった。




アリスさんは私が女で、蓬條へ復讐を企む者だと知っているから何を話しても困りはしない。




でも、紗也様は違う。



紗也様は私のことを兄を守る人だと思っている。




だから……。




すると、アリスさんは紗也様と手を合わせたまま私の方を見て、笑った。




そして、私の問いに答えたのはアリスさんではなく、紗也様だった。




「……もう何も隠さなくて良いよ、≪篠原さん≫」




「……っ!?」




紗也様、今私のことを篠田ではなく、篠原って呼んだ?





< 337 / 422 >

この作品をシェア

pagetop