白い雪が降り積もるように
動揺を隠せていない私の様子を見た紗也様はトテトテと近付いてくると、その大きな目で私を見上げてきた。
「私、全部知ってるよ。篠原さんの正体もしようとしていることも」
「い、いつから……?」
「お兄ちゃんと私と篠原さんで遊園地に行った時。あの時、本当は起きてたんだ」
困ったように笑う紗也様。
この子は蓬條依良の妹だけあって賢い子だ。
何かを察して、アリスさんにでも詳しく聞いたのだろう。
「篠原さんの正体としようとしていること聞いたとき驚いたけど、私は知ってるよ」
「?」
「篠原さん、お兄ちゃんのこと好きなんでしょ?」
子供ならではのド直球な言葉に、アリスさんは吹き出した。