白い雪が降り積もるように
な、何の流れでそんなことになったのだろう?
でも……。
「好きですよ……。もう私には彼は殺せません……」
声を震わせて言うと紗也様が私を手招きして、 しゃがむように言ってきた。
言われるがまましゃがむと、紗也様は私の頭を撫でてきた。
小さな手が何度も往復する。
「篠原さんはいい人だね!お兄ちゃんのこと、よろしくね!」
紗也様はにっこり笑いかけてくれる。
私は兄を殺そうとして、紗也様の願いを裏切ろうとしていたというのに何故、こんなにも紗也様は暖かいのだろうか?
そういうところは本当に彼に似ている。
目頭が熱くなってきた。
紗也様にお礼を言おうとしたけど声が出なくて、私は頷くことしか出来なかった。