白い雪が降り積もるように
「……冬雪ちゃん、それ、本気で言ってる?」
「私はいつでも本気です」
「……あっちもこっちも鈍感ばっかりか。あのさ、冬雪ちゃん」
「はい?」
「あ、やっぱ言わない。言わない方が楽しいし」
アリスさんは何か言おうとしたのを止めて、口角を持ち上げた。
え、何?意味が分からない。
「アリスさん、今何て──」
「あー、ヤバイ!そろそろ帰らないと!」
問いただそうとした私から逃げるように、アリスさんは腕時計を見ると身を翻した。
そして、一目散に走り去ろうとする。
でも、何か思い立ったように私の方を見た。