白い雪が降り積もるように
私の反応に口角を持ち上げると、彼女は廊下を歩いて行ってしまった。
「……あの女は私が彼を好きだと気づいてる」
認めないということはたとえ、彼と両思いになれたとしてもあの女が認めなければそれ以上進めない。
まあ、両思いになるなんてあり得ないから警告するだけ無駄だと思うけどね。
私は蓬條紗良を一瞥すると、彼の部屋に向かった。
でも、向かってる最中にも蓬條紗良の言葉が引っ掛かって仕方ない。
あの言い方……。
まるで、私と蓬條依良が付き合うことを予測しているようだった。
あの女が言うと、全部真実になりそうで怖い。
「……面倒だな、本当に」
蓬條依良の部屋の前でため息を吐くとドアノブに手をかけた。