白い雪が降り積もるように
3.正体
目が腫れぼったい……。
あれからしばらく泣いていたせいか、目が腫れぼったい。
「戻りましたー」
使用人達が集まるフロアに入ると、そこにいた人達はぎょっとしたように私を見た。
「ど、どうしたの、冬季君!その目!」
弟さんが同い年という千早さんが心配そうに駆け寄ってきた。
「ゴミが入って擦りすぎてしまって……」
「嘘おっしゃい!ゴミが入っただけでそうなるものですか!」
千早さんは私をそのフロアから連れ出すと、リネン室へと連れて行かれた。
「何があったの?泣いたんでしょ?」
「いや、何でも──」
「……依良様と何かあった?」
図星と認めんばかりに肩を揺らすと、彼女のため息を吐いて頭をポンポンと撫でてくれる。