白い雪が降り積もるように
「依良様には伝えないの?」
「……伝えられません。私には彼を幸せにする資格はありません」
「どうして?」
「私はあの人を憎んで殺そうとしたんです。そんな女が出来ると思いますか?」
私の返答に千早さんは困ったように頬を掻くと、私の顔を覗き込んできた。
「出来るわよ。現に依良様は貴女に恋をしてる。幸せに出来ないならあの死にたがりのボンボンが恋する訳無いわ」
彼女の優しい言葉に心が軽くなったような気がした。
言葉だけで私を救ってくれるなんて本当に彼に似ているし、お似合いだと思う。
千早さんは蓬條依良をどう思っているのだろう?
これだけ彼への言葉や信頼を抱いているのだからきっと……。