白い雪が降り積もるように
「あ、釘を差すけど私は依良様を何とも思ってないからね」
「え、エスパーですか?」
「……冬雪ちゃん、依良様も言ってたけど思ってること顔に出てるわよ。それに、私が好きなのは依良様じゃなくて、その片割れの方」
「片割れ?ってことは良威!?」
驚いて大声を上げると、「声がでかい!」と千早さんに口を押さえられた。
え、千早さんが良威を?
何処が良いのか聞こうとしたら、廊下が騒がしくなった。
千早さんと顔を見合せるとドアを開けて、廊下に顔を出した。
「どうしたの?」
「良威様が依良様を殺そうとしているんです!」
千早さんが使用人の一人を呼び止めると、その使用人は慌てたように用件だけを言って走っていってしまった。