白い雪が降り積もるように


「良威様が……っ!?」




私はドアを開け放つとその使用人を追いかけようとした。




でも、千早さんが呆然と立ち尽くしているのを見て、その足を止めた。




「千早さん!止めないと!」




私が手を引っ張るけど、彼女は動こうとしない。




そして、意味不明なことを呟き始めた。




「私があの方を引き入れたから……?でも、良威様はあの方とは関係ないって……」





あの方って誰?




でも、今はそれどころじゃない。




「千早さん!良威が好きなら好きな人に罪を起こさせてはいけません!」





私がそう怒鳴れば、千早さんはハッと我に返る。




そして、私と一緒に使用人達を追いかけた。




< 359 / 422 >

この作品をシェア

pagetop