白い雪が降り積もるように
4.暖かな雪
目の前に男が蓬條圭二。
この人がお父さんと共謀して蓬條依良と良威を殺そうとした……。
でも、彼はそんなことを一言も言っていなかった。
「姉さん、どうだった?俺の送った駒は。なかなか面白いだろう?」
「ああ、面白いよ。あの父親とは真逆の性格をしている」
話の流れで察した。
彼らの言っている駒とは私のことだ。
つまり、この男は蓬條家が自分の実家で、蓬條紗良が姉だと知っていた。
全て仕組まれていたこと?
ふと、日下さん──蓬條圭二が私の方を見た。
「ご苦労だったね、冬雪ちゃん」
「これは全部アンタが仕組んだことだったの?」
「ああ、そうだよ。俺が仕組んだのさ。君の父親の会社を潰すように仕組んだもの、全て……ね……」
「……っ!?」
お父さんの会社を潰したのは蓬條じゃない?