白い雪が降り積もるように
「殺してやる……っ!!」
「いけません!」
私は蓬條圭二に掴みかかろうとしたら、玖下さんに羽交い締めにされた。
悔しさで唇を噛み締めれば、口の中に血の味が広がる。
私が勘違いしなければ、この男の策略に嵌まらずに済んだ。
私がこの男に協力を求めなければ、秋葉は死なずに済んだ。
彼に恋をしなくて済んだ……。
「ああああああぁぁぁぁッッッッ!」
後悔から身体から力が抜けて立っていられない。
そんな私の身体を玖下さんが支えてくれた。
「篠原さん!」
「あーあ、狂っちゃったかな?じゃあ、次の駒を使おうかな」
蓬條圭二はつまらなそうに口を尖らせると、良威の方を見た。