白い雪が降り積もるように
「千早さん、血が……っ」
私は持っていたハンカチで止血を試みるけど、すぐに血で染まってしまう。
でも、止めないよりはましだ。
「何故、こんなことを……」
「好きな人には罪を犯してほしくないから……」
千早さんは冷や汗を流しながらも笑っていた。
その言葉はさっき私が彼女に言った言葉。
好きな人のためなら何でも出来る。
そんな想いが千早さんから感じられた。
「離せよ!俺は依良を……っ!じゃねぇと、アイツは俺を見ない!」
「良威!」
達也さんに押さえられながらも暴れて、蓬條依良の方へ行こうとする良威。
そんな良威に私は近付くと、思い切り平手打ちをした。