白い雪が降り積もるように


平手打ちが落ちてくると固く目を瞑った良威だったけど、彼女の手は良威の頭へと伸びていく。




そして、良威の頭を自分の胸へと引き寄せた。




「この愚息が……馬鹿なことを……」




母親がこんなことをすると思わなかったのか良威は驚いていたけど、蓬條依良は驚いていなかった。




蓬條依良はゆらりと立ち上がると、良威の目の前に来た。





「馬鹿だな、お前も。自分は愛されてないと思っていただろうけど考えてみなよ、お前の名前」





「名前?」





「俺はいら、お前はらい。ただ反対に読ませた名前だけどちゃんと愛が込められてるんだよ」




「は?」





「……まだ分かんないの?俺とお前の名前は母さんの一文字から貰ってるだろ」





依良の言葉に良威は理解したように目を見開いた。





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