白い雪が降り積もるように
確かに言われてみれば、そうだ。
依良と良威、この二人は蓬條紗良の≪良≫をがついているし、紗也様は両親から一文字ずつついている。
「日に日にお前が圭二に似ていくを見ていたら、昔を思い出してお前に当たってしまった……。すまない、良威」
息子を抱き締めながらそんな言葉をかける蓬條紗良に、これまでの冷徹は感じられない。
感じられるのは母親の優しい愛情だけだった。
良威は母親から向けられた愛情に涙を堪えるように目を瞑っていた。
一先ず、此処は和解したかな?
でも、まだ問題は残っている。
「所詮お前もお優しい姉の子か、良威。やはり、俺が自らアンタの大切なものを奪わないと駄目か」
蓬條圭二は舌打ちをつくとポケットからナイフを取りだし、手の中で弄び始める。