白い雪が降り積もるように
「生きていたって……。まさか……っ!?」
「お前の兄弟はその後施設に預けられ、大人になってから会社を立ち上げた。その兄弟の名前は篠原太雅、お前の友人だった男だ」
「太雅が俺の兄弟……?」
「同い年だが、お前の方が先に生まれたから太雅は弟になるか。太雅もお前が兄だと知らなかったようだがな」
お父さんが蓬條圭二の弟……。
腹違いとはいえ、お父さんと兄弟ということは私からすれば彼は私の伯父になる。
蓬條圭二は弟を嵌め、殺した。
その真実は彼にとっても私にとっても残酷だった。
「太雅が俺の弟……。俺は弟を殺したのか……?」
蓬條圭二は頭を抱えていた。
そんな彼の肩に蓬條紗良は手を置く。