白い雪が降り積もるように
「もう少し早く話していれば良かった。そうすれば、こんなことにはならなかった。すまない、圭二」
「俺は……俺は……ああああああぁぁぁぁ!」
蓬條圭二……、圭二伯父さんの慟哭が響き渡る。
蓬條の子として育った彼を悲しませまいと隠した真実が悲劇を生んだ。
でも、その真実を知ったところで失ったものは戻ってこない。
圭二伯父さんの慟哭が響く中、空から雪がヒラリと落ちてきた。
一つ、また一つと落ちてくる。
その雪はまるで真実を空から聞いていたお父さんが圭二伯父さんに会いに来たようにも思えた。
お父さん、真実を知ってどう思った?
悲しいかもしれないけど、私は決めたよ。
私は圭二伯父さんに近付いた。
その気配に気付いたのか、彼は顔を上げる。