白い雪が降り積もるように
ふと、もう二度と開くことのないお姉ちゃんの目から涙が溢れ落ちた。
「お姉ちゃん、やっと幸せになれたね……」
私が頬を撫でれば、お姉ちゃんは嬉しそうに笑っていた。
周りから啜り泣く声が聞こえる。
すると、病室に主治医が入ってきたのが見えた。
「先生、お願いします」
私がお願いすると、主治医はお姉ちゃんの身体に繋がれた延命器具のスイッチを切った。
少しすると波うっていた心電図が一本の線に変わった。
それはお姉ちゃんの呼吸が、心臓が止まったことを表している。
雪が降りそうな位肌寒いクリスマス。
お姉ちゃんは静かに天国へと旅立った。