白い雪が降り積もるように
『秋葉、お姉ちゃん達の手を離しちゃだめだよー』
『秋葉の手、暖かい』
『春陽姉と冬雪姉の手も暖かい』
昔の光景がその家族と重なった。
もう二度と流れない家族五人の時間。
お父さんもお母さんもお姉ちゃんも秋葉ももうこの世にはいない。
生きているのは私だけ……。
「あ……」
その事実を理解すると涙が溢れてきた。
唯一の家族を今日失った……。
私の家族はもうこの世にはいない。
迷ったとき、悲しいとき、楽しいとき、辛いとき、苦しいとき……。
そんなときに傍にいてくれる人はもういない──。
「あぁ……っ」
私はその場にしゃがみこんだ。
涙が止まらない。
頭の上から私を見る視線が刺さる。
でも、誰も手を差し伸べてくれない。
一人の私には誰も──。