白い雪が降り積もるように
「お姉ちゃんが死んで、私は一人になっちゃった……。もう誰も傍にいてくれる人がいないの……」
すると、彼は私の身体をその腕の中へと引き寄せた。
暖かい温もりと規則正しい心音が聞こえる。
「本当に君は馬鹿だね」
頭の上から馬鹿にするような口調の声が聞こえて腹が立ち、私は彼の身体を押し返す。
「馬鹿って……っ!私は本当に一人に──」
でも、その腕は女の私なんかよりも強くて、離れることを許さなかった。
「君には俺がいる。俺は君を一人になんかしない、ずっと傍にいる」
耳朶を擽る彼の声は優しい。
彼は本当に私が欲しい言葉をくれる。
そして、いつも私を助けてくれる。
そんな彼に私は何もしていないのに何故、彼は──。