白い雪が降り積もるように
7.かけがえのない時間
お姉ちゃんの葬儀が終わった翌日。
私は蓬條紗良に呼び出されていた。
「君はもう蓬條に復讐する気は無いんだろう?」
巨大なデスクに肘を置いて私を見据える彼女の目はやはり鋭い。
前に見た優しい姿が嘘のようだ。
「はい、そのつもりです」
「なら、何故此処にいる?復讐する気のないならいる理由はないだろう?」
そうだ、私は蓬條の復讐する為に此処に来たんだ。
復讐を止めたということは私が此処にいる理由はない。
でも、私は此処に残りたい。
彼の傍にいたいから──。
「私は──」
「依良の傍にいたいか?」
図星をつかれ、頷くと彼女はため息を吐いた。